ドバイと聞くと「高級」「贅沢」といったイメージを抱く方が多いかもしれません。しかし、実際の家賃相場はどうなのでしょうか?
この記事では、「ドバイ 家賃 相場」のリアルな実情をエリアごと・物件タイプごとに分かりやすく解説します。移住を考えている方、駐在予定の方、短期・長期の滞在を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
概要(ポイント)
- ドバイの家賃相場はエリア・設備・築年数で大きく変動
- 高級住宅街とローカル居住区で月額数倍の差がある
- 家具付きかどうかも家賃に大きく影響
- 駐在員向けエリアと若者・フリーランス向けエリアで傾向が異なる
- 家賃に含まれる(or含まれない)費用項目に注意
ドバイの家賃相場:全体感を把握
ドバイの中心部の家賃相場は、世界的に見ても上位に入る水準ですが、意外にも選び方次第では東京23区と同等か安く暮らせることもあります。
たとえば、
- スタジオタイプ(ワンルーム)で月4,000〜8,000AED(約16万〜32万円)
- 1ベッドルームで月6,000〜12,000AED(約24万〜48万円)
- 2ベッド以上は月10,000AED〜(約40万円以上)
家賃相場は為替の影響もありますが、基本的にはAED(ディルハム)建てで月払いまたは年払いが一般的です。
項目 | 短期滞在向け(1週間〜3ヶ月) | 長期居住向け(半年〜) |
---|---|---|
物件タイプ | ホテル サービスアパートメント | レジデンシャル物件(年契約) |
家具付き | 標準で完備 | 家具なし/付きは選択式 |
家賃支払い形式 | 日割・週単位、月払いOK | 通常は年契約、4分割払いが主流 |
初期費用 | 少なめ(保証金不要もあり) | デポジット、手数料、チェック必要 |
契約の柔軟性 | 高い(キャンセル可、オンライン予約) | 固定契約で解約ペナルティあり |
向いている人 | 出張者、旅行者、ビザ待ちの短期滞在者 | 移住者、駐在員、起業家・長期在住者 |
ダウンタウン・ドバイ(Burj Khalifa周辺)
ダウンタウンはドバイの象徴ともいえるエリアで、世界一の高層ビル「ブルジュ・ハリファ」や、巨大な「ドバイ・モール」が並びます。観光地としても有名で、世界中の富裕層やビジネスマンが集まる場所です。
家賃相場はスタジオで8,000〜12,000AED、1LDKになると12,000〜18,000AEDが相場です(日本円で約32万〜72万円)。高級ホテルのような生活が叶う分、家賃はドバイで最も高額クラスです。
ほとんどの物件にジムやプールが完備されており、セントラルクーリング(冷房代込み)も標準。生活利便性は極めて高く、徒歩圏内でほぼすべてが完結する環境です。出張や富裕層向けの短期〜中期滞在に向いています。
ドバイ・マリーナ/JBR(ジュメイラ・ビーチ・レジデンス)
ドバイ・マリーナとJBRは、海に面した開放的な雰囲気と高級感が魅力の人気エリアです。マリーナ沿いの遊歩道、カフェやレストランが立ち並び、欧米系外国人の居住者が多く住んでいます。
スタジオの家賃は6,000〜9,000AED、1LDKは10,000〜14,000AEDほど(約24万〜56万円)。パームジュメイラやマリーナを望める絶景物件はさらに高額になります。
リゾート感のある暮らしを求める方や、ナイトライフやアクティブな生活を送りたい方にぴったりです。交通面では、トラムやモノレールがありアクセスはまずまず。ただし、メトロ駅がやや遠い物件もあるため、住居選びには注意が必要です。
デイラ/バル・ドバイ(旧市街エリア)
ドバイの原点ともいえる歴史あるエリアで、地元のアラブ文化を色濃く残したローカルな雰囲気が漂います。南アジア系やフィリピン系の住民が多く、物価全体が控えめなのが特徴です。
家賃相場はスタジオで3,000〜4,500AED、1LDKで5,000〜7,000AED(約12万〜28万円)。ドバイの中では圧倒的にコスパが良く、生活費を抑えたい方には最適です。
メトロやバスなどの交通インフラは整っており、移動にも困りません。ただし建物はやや古めのものが多く、設備もシンプルな物件が中心です。ドバイでの生活をまずは試してみたい、という方におすすめのエリアです。
ジュメイラ・ヴィレッジ・サークル(JVC)
JVCはここ数年で急速に開発が進んでいる新興住宅地で、中心部から車で20分ほどの立地にあります。街全体が計画的に整備されており、公園やモール、カフェなども充実しています。
家賃はスタジオで4,500〜6,500AED、1LDKで7,000〜9,000AED(約18万〜36万円)と、比較的リーズナブルです。新築・築浅の物件が多く、清潔で設備の整った住宅が多いのもポイントです。
若者やフリーランス、ファミリー層に人気があり、特にペット可物件を探している人にも向いています。中心部からは少し距離がありますが、マイカーを持っている人にとっては静かで落ち着いた暮らしができるエリアと言えるでしょう。
エリア名 | スタジオ相場 | 1LDK相場 | 特徴 |
---|---|---|---|
ダウンタウン・ドバイ | 8,000〜12,000AED | 12,000〜18,000AED | 超高級、観光地・ビジネス街直結 |
ドバイ・マリーナ/JBR | 6,000〜9,000AED | 10,000〜14,000AED | 海沿い、欧米人に人気、ナイトライフ |
デイラ/バル・ドバイ | 3,000〜4,500AED | 5,000〜7,000AED | コスパ重視、築古も多い |
JVC | 4,500〜6,500AED | 7,000〜9,000AED | 新興住宅街、車必須、家賃控えめ |

AEDって通貨は信頼できるの??
よくある失敗と注意点
ドバイでよくある失敗として、「家賃の安さだけで決めたら後悔した」という話をよく耳にします。特に、築年数が古い建物では、水回りや冷房の不具合、ゴキブリの出没などトラブルが多い傾向にあります。安さの裏には理由がある、と考えることが大切です。
また、「交通の便が悪くて不便だった」という声もあります。中心部を離れるエリアでは、メトロ駅から徒歩圏ではない物件も多いため、車を持っていないと生活が制限されます。Uberやタクシーを常用すると、月の出費がかなり膨らむことに。
さらに、「契約内容の英語が理解できずトラブルになった」というケースもあります。契約書はすべて英語で記載され、交渉も基本は英語。信頼できるエージェントを通すか、第三者のサポートを受けることが望ましいです。
細かいところでは、インターネットの開通に時間がかかったり、家具の破損が後から指摘されてデポジットが戻らないというケースも少なくありません。写真と一緒に引き渡し時の状態を記録しておくのが安心です。
まとめ:家賃相場だけでなく「暮らしの全体像」で判断を
ドバイの家賃相場はエリア・間取り・契約条件によって大きく変動します。家賃の安さに惹かれても、日常の移動や設備の質、周辺環境まで含めてトータルで見ることが重要です。
これからドバイに滞在予定の方は、自分の生活スタイルに合ったエリア選びを。観光気分を味わいたいならダウンタウンやマリーナ。コストを抑えて暮らしたいならデイラやJVCなど、選択肢は多岐に渡ります。
実際の生活に根ざした情報をもとに、後悔のない住まい選びをしてください。
エリア名 | 向いている人 | 備考 |
---|---|---|
ダウンタウン・ドバイ | 駐在員、富裕層、短期高級滞在者 | 家賃高めだが生活の全てが完結 |
ドバイ・マリーナ/JBR | 海の近くで暮らしたい人、欧米人、単身者 | ビーチ・夜の街・おしゃれ生活 |
デイラ/バル・ドバイ | 節約したい人、現地文化を感じたい人 | 築古物件が多め、交通は便利 |
JVC | 若者、フリーランス、ファミリー、ペット飼育 | 新築多め、車がある人向け |
家賃に含まれる費用と注意点
ドバイでは、日本の賃貸契約とは異なり、「家賃に含まれるもの/含まれないもの」が明確に分かれています。物件によって条件が異なるため、契約前にしっかりと確認しておくことが重要です。
家賃に含まれることが多いもの
セントラルクーリング(冷房費)
ドバイでは、建物全体を一括で冷やす「セントラルクーリング」が主流です。これが家賃に含まれている場合、月々の冷房代が不要になります。特に夏場はエアコン使用量が膨大になるため、これが家賃込みかどうかで年間数千AEDの差が出ます。
家具使用料(家具付き物件の場合)
「Fully furnished」と記載されている物件は、ソファ、ベッド、冷蔵庫、洗濯機などの家具・家電が完備されています。これらの使用料は基本的に家賃に含まれています。ただし、経年劣化や破損時の修繕責任はテナント側となる場合もあり、入居時に状態を写真で記録しておくことをおすすめします。
共用施設の利用料(プール・ジム・ラウンジ等)
ほとんどの中〜高級物件では、共用施設としてプールやフィットネスジム、会議室などが設けられています。これらは追加料金なしで自由に使えることが多く、ジム代やサウナ代を節約できる大きなメリットになります。
家賃に含まれないことが多いもの
DEWA(水道・電気)料金
ドバイでは「DEWA(Dubai Electricity and Water Authority)」という公的機関が水道と電気を管理しています。ほとんどの物件で、DEWAの月額請求はテナントの負担です。月額500〜800AED程度かかることもあり、冷房の使用量次第で大きく変動します。
インターネット/テレビ
家賃にインターネット代が含まれていないことが一般的です。Etisalatやduなどの通信業者と個別契約が必要で、Wi-Fi・TV・固定電話のセットで月額300〜400AEDほどかかります。通信速度や契約期間によってプランが変わるため、比較検討は必須です。
ガス代
ドバイの住宅では、IHや電気コンロが主流であるため、ガスを使用しない物件も多くあります。ただし、特定のエリアや大型住宅ではガス供給があるケースもあり、その場合は「ガスボンベの定期交換」や「都市ガスの定額課金」が別途発生します。
契約時の追加費用と支払い形態
仲介手数料(エージェントフィー)
不動産業者を通して契約する場合、多くは「年間家賃の5%」が仲介手数料として請求されます。交渉によって3〜4%に下げられることもありますが、人気物件ではそのまま提示額で進むことが多いです。
デポジット(保証金)
通常、1ヶ月分の家賃相当額をデポジットとして支払います。これは退去時に物件の破損等がなければ返金されますが、清掃費や小さなキズの修理名目で一部差し引かれることも珍しくありません。
支払い回数(支払形態)
ドバイでは「年間家賃を数回の小切手で支払う」のが一般的です。多くのオーナーは「年1回(1枚)払い」を好みますが、外国人テナントには「4回払い(四半期ごと)」も受け入れられています。月払いは原則不可であり、銀行口座と小切手帳の開設が必要です。
見落とされがちな注意点
- 退去通知期限に注意:通常は退去希望の90日前までに通知する必要があります。通知が遅れると自動更新扱いになります。
- 鍵の追加や修理はテナント負担:玄関キーの複製、エアコンのフィルター掃除などは借主が自己負担で行う必要があります。
- 契約書はすべて英語:法的拘束力があるため、契約内容が不明な場合は必ず確認しましょう。必要に応じて翻訳者や専門家に相談を。
ドバイで家賃を抑えるための5つのコツ(詳細解説)

1. JVCやアルクオズなど新興エリアを狙う
ドバイの中心地(ダウンタウンやマリーナ)から離れるだけで、家賃は大幅に下がります。たとえば、JVC(ジュメイラ・ヴィレッジ・サークル)やAl Quoz(アルクオズ)といった新興住宅地では、1LDKでも月7,000AED以下で借りられる物件が多く、コスパが高いです。
これらのエリアはメトロから遠いことが多いため、車がある人やリモートワーク中心の人に向いています。最近ではカフェやスーパー、病院も増えており、生活利便性も上がっています。築浅の物件が多く、設備面でも満足度が高いのが特徴です。
2. 家具付き物件は割高。長期滞在なら家具なし+IKEA活用が得
ドバイでは「Fully Furnished(家具付き)」物件が主流ですが、当然その分家賃は高めに設定されています。短期滞在なら便利ですが、1年以上住む予定なら「Unfurnished(家具なし)」物件の方が圧倒的にお得です。
IKEA、Home Centre、Amazon UAEなどで家具を揃えれば、初期費用はかかりますが、2〜3ヶ月で元が取れるケースもあります。特に洗濯機や冷蔵庫などは中古品マーケットでも簡単に手に入ります(例:Dubizzleというアプリが便利)。
3. シェア物件(ルームシェア)を活用する
コストを最小限に抑えたいなら、ルームシェアという選択肢もあります。1LDKや2LDKを複数人で分け合うことで、月の支出を3,000〜4,000AED以下にすることも可能です。
特に人気があるのは、ドバイ・マリーナやビジネスベイ、テコム(Barsha Heights)などでのルームシェア。外国人同士の住み分け(フィリピン系、インド系、欧米系など)がはっきりしているので、希望に合った環境を探すのがポイントです。
ただし、合法かどうか、オーナーの許可があるかは要確認。シェアが禁止されている物件もあるため、契約条件をしっかり見ましょう。
4. 年払い契約にすると家賃交渉がしやすい
多くの家主は「年1回払い(1枚小切手)」のテナントを好みます。年払いであれば、月払いより5〜10%ほどディスカウントを提案されることもあります。
交渉の余地を広げるためには、「家賃は1年分一括で払う代わりに、◯◯AEDにしてもらえませんか?」というスタンスで話すのが効果的です。逆に、分割回数が増えるほど、家賃は少し高めに設定されがちです。
なお、支払いは「小切手」で行われるのが通例のため、現地の銀行口座開設が必要です。
5. オーナーとの直接契約で仲介手数料を抑える
不動産エージェントを使うと、家賃の5%〜7%ほどが仲介手数料として必要になります。しかし、直接オーナーと連絡が取れればこの費用は発生しません。
直接契約は、知人の紹介や、Dubizzle(ドバイの物件情報アプリ)、Facebook Marketplace、WhatsAppグループなどを通じて見つけるのが一般的です。英語でのやり取りができる方には特におすすめの方法です。
ただし、オーナーとのやり取りにはリスクも伴うため、契約書のチェック、DEWA名義の変更などの手続きを自力でできる自信がある人向けです。信頼できる第三者の立ち合いや、リーガルチェックも検討してください。
注目の低家賃!Al Quozの特徴
Al Quoz(アル・クオズ)は、ドバイ中心部に位置するエリアで、産業ゾーンと住宅ゾーンが混在するユニークな地域です。観光客よりも地元住民やアーティスト、移住者に密かに人気があり、家賃相場も比較的リーズナブルなことから、コスパの良い住まいを探す人に注目されています。

エリア概要
- 立地:ダウンタウン・ドバイとマリーナのちょうど中間あたり
- 交通:メトロの「Al Safa駅(旧名:Noor Bank)」が最寄、バス路線も充実
- ゾーン:Al Quoz 1〜4までに分かれ、1と2が住宅地、3と4は倉庫・工業地域
1. 家賃が比較的安い
スタジオや1ベッドルームが月3,500〜6,500AEDで見つかることもあり、ダウンタウンやマリーナと比べると割安です。築年数の古い建物も多いですが、その分広さがあり、DIY可能な部屋も。
2. 交通アクセスが良好
シェイク・ザイード・ロード、アル・カイルロードの両方に近く、車移動が多い人にとっては利便性抜群。2022年に開業した「Al Safa駅」からダウンタウンまでメトロで15分程度。
3. アート・カルチャーの発信地
「Alserkal Avenue」(アルセルカル・アベニュー)は、アートギャラリーやイベントスペース、カフェが集まる創造拠点。クリエイター、デザイナー、写真家、ミュージシャンなどに人気です。
4. ローカルとインターナショナルが交差
労働者エリアも隣接しているため、インド・バングラ・パキスタン系住民も多く、エスニックな飲食店やスパイスショップが豊富。一方で欧米系移住者も増加傾向。
5. 住宅環境はやや混沌、でも可能性あり
高級住宅というより、倉庫と住宅が混在している「カオス感」があるエリア。そうしたラフさが逆に魅力で、「広い部屋を安く借りて、自分好みに作り上げたい人」に向いています。
どんな人に向いている?
- デザイナー、映像クリエイター、音楽関係などのアーティスト系
- 節約志向で広い部屋に住みたい人
- 車移動メインで駅近にこだわらない人
- コワーキングスペースやアートスペースが生活圏に欲しい人
注意点
- 築古物件が多く、設備面は個体差大
- 倉庫街の近くは騒音やほこりが気になる場合あり
- メトロ駅から徒歩でアクセスできる範囲は限られる
- 生活感の強いエリアなので、高級感・洗練さを求める人には不向き
まとめ:ドバイの家賃は選び方で大きく変わる
ドバイの家賃相場は、選ぶエリアや設備、契約形態によって大きく異なります。高級住宅街に住めば月50万円を超えることもありますが、ローカルエリアやシェアハウスを活用すれば月10万円以下も可能です。
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